知っていますか?高濃度フッ化物配合歯磨剤!
「むし歯予防にフッ素が効果的です」「フッ素を使って歯を強くしましょう」というフレーズ、皆さんも歯医者さんで聞いたことがあるかもしれません。
事実、フッ素(フッ化物)が歯に作用すると、
①歯のエナメル質を構成するハイドロキシアパタイト(HA)の結晶性を改善する
(=歯の弱い部分を強くする)
②フルオロアパタイト(FA)を生成し、エナメル質の歯質を強化する
(=歯の構造をより丈夫なものにする)
③唾液中のカルシウムイオンやリン酸イオンとともに脱灰部分再石灰化を促進する
(=むし歯や酸などで柔らかくなってしまった歯を強くする)
などの効果があり、しかも、歯に塗るだけと簡便なので、むし歯予防に非常に効果的です。
フッ素を上手に活用しましょう!

フッ素は、現在ではほとんどの歯磨き粉(歯磨剤)に含まれており、多くの方が日常的に使用していると思います。実は、日本で最初にフッ素入りの歯磨き粉が発売されたのは1948年と、なんと50年以上も前ですが、フッ素入りの歯磨き粉が普及してきたのはここ20年程の出来事です。
そして2017年、歯磨き粉に含まれるフッ化物濃度の上限が、従来の1000ppmから1500ppmへと引き上げられました。“フッ化物濃度が高い歯磨剤を使用するほうが、むし歯予防効果が高い”ということが、海外のレポートや論文で多数発表されているからです。
海外では、5000ppmのフッ化物配合歯磨剤を購入できる国もあり、むし歯予防のために積極的にフッ素を応用しています。
しかし、むし歯にならないようにフッ素をとにかくたくさん使えば良いというものでもありません。フッ化物は摂りすぎると急性中毒や慢性中毒が起こります。
下の注意点を守り、正しく高濃度(1000ppm以上)フッ化物配合歯磨剤を使用しましょう。
高濃度フッ化物配合歯磨剤使用時の注意事項
①6歳未満の子どもへの使用は控える
②15歳未満の子どもは歯科医師の判断のもとで
③必ずパッケージのフッ化物濃度表示を確認する
このように、基本的に、お子さんが使用する歯磨き粉は1000ppm以下のものを使って頂きますが、むし歯のリスクが高いと歯科医院で判断された場合などは、高濃度フッ化物配合歯磨剤を使用する場合もあります。
また、むし歯予防のために当院ではフッ素塗布も行っています。これは、歯科医院のみで使用できる数千ppmのフッ素を歯に塗布するもので、1年に数回、定期健診などで塗布すると効果的です。
「自分やお子さんがどのような歯磨き粉を使えばいいかわからない」「最近歯ぐきが下がって歯がしみる」「むし歯にならないようにどのようなケアをしたらよいか相談したい」など、何か気になることがあればお気軽に当院にてご相談ください。