電動歯ブラシ徹底分析!
最近、「電動歯ブラシってどうなんですか?」「電動歯ブラシを使ったほうがいいんですか?」という質問を頂くことが度々あります。
そこで、電動歯ブラシに関する基本的な知識と、様々な疑問点をまとめてみました。
現在、市場に出回っている電動歯ブラシには、大きく分けて
「高速運動電動歯ブラシ」
「音波電動歯ブラシ」
「超音波電動歯ブラシ」 の3種類があります。
高速運動電動歯ブラシとは、
小型のモーターの力でブラシの部分が機械的に往復・回転して汚れを除去します。振動数は毎分約3000~7000回で、この振動だけで汚れを取りきることは難しいため、手磨きをサポートする程度と考えてもらうほうが良いでしょう。
音波電動歯ブラシは、
リニアモーターによる高速振動や回転の力で汚れを除去するもので、現在歯科で主に取り扱われています。振動数は毎分約20000~40000回(周波数に直すと20~200万Hz=音波領域)と、汚れの除去効率が非常に高いため、手磨きのようにゴシゴシと手を動かす必要はなく、ブラシを歯に当てるだけで良いのです。
超音波電動歯ブラシは、
超音波(100万6千Hz以上の音波)によって、歯と細菌の繋がりを弱め、汚れを除去しやすくしています。振動数は毎分120万回以上ですが、微細な運動でほとんど振動がないため、手磨きの要領で手を動かす必要があります。また、ペースメーカーなどの誤作動を起こす可能性があるため、使用する際には注意が必要です。
普通の歯ブラシに対する電動歯ブラシのメリット・デメリットを簡単にまとめると、以下のとおりです。
メリット
・使用が簡単
・短時間でのブラッシングが可能
デメリット
・電力が必要
・経済的負担が大きい
・重い
次に、「電動歯ブラシが普通の歯ブラシと比べて優れているか」という点ですが、2019年10月現在、電動歯ブラシが普通の歯ブラシと比べて圧倒的に優れている、という科学的な根拠はありません。
普通の歯ブラシでも、しっかりと汚れに毛先を当て、適切な力で丁寧に磨いてもらえば、お口の中をきれいに保つことができるのです。
しかし、手磨きではどうしても同じ場所に汚れが残ってしまう方や、歯ブラシの力が強すぎて逆に歯を痛めてしまっている方、手指をうまく動かせない方など、電動歯ブラシの使用で明らかにお口の環境を改善できる方は少なからずいらっしゃいます。自分が電動歯ブラシを使ったほうがよいのかどうか、気になる方はお気軽にご相談ください。
最後に、電動歯ブラシ(音波電動歯ブラシ)を使う上でのポイントをまとめました。
①立体的な歯をブラシでかこむようにあてる
歯は丸みがあり、同じ向きに当てるだけでは磨き残しができてしまいます。歯の丸みを意識して、色々な方向から歯ブラシを当てましょう。
②手磨きよりもさらに軽いブラッシング圧で
ブラシの毛先は、毛先がつぶれない程度に、歯にそっと置いて優しく触れるぐらいで当ててください。電動歯ブラシはそれ自体が高速で動き、ブラシ単独で十分な清掃力があります。
③動かさない
電動歯ブラシを使うときのコツは、手先を動かさないことです。つい動かしたくなる衝動をぐっとこらえてください。時計を見ながら時間で動かすタイミングを決めても良いです。
④フロス、歯間ブラシも必要です
電動歯ブラシ1本だけでは、お口のケアがすべて十分とは言えません。歯ブラシの毛先が届かない歯と歯の間は、フロスや歯間ブラシを使ってきれいにしましょう。
いかがでしたか?これらのポイントを守って、お口をきれいに保ちましょう!