お口周りのトラブルを解決―口腔外科―Oral Surgery

口腔外科では、虫歯や歯周病だけではなく、舌や唇、顎、粘膜などの外傷や腫瘍、先天性疾患などの治療を行います。
代表的な診療内容には親知らずの抜歯や顎関節症治療などがあります。
治療により口腔内のトラブルを解決し、より快適で健康的な生活を送っていただくことを考えております。

親知らずの抜歯Wisdom Teeth

親知らずは前から8番目の歯で智歯とも呼ばれています。
生えてくる人と生えてこない人がおり、生えてきた場合でも日本人は顎が小さいために斜めや横向きに生えてきたり、 骨や歯茎に埋まっていて痛みや炎症を招く恐れがあります。
また、歯ブラシが届きにくいことにより虫歯や歯周病を引き起こしがちであったり、隣の歯を押して歯列を乱す危険性があります。 親知らずは全て抜かなければならないというわけではありませんが、抜くべきケースの方が大多数です。
歯として咬むという機能を果たしていないにも関わらず、 機能している重要な他の健康な歯に悪影響を及ぼす親知らずは予防的に抜歯しておくべきとお考えください。

顎関節症Temporomandibular joint disorder

顎関節症とは、「口を開けようとすると顎が痛い」「口を開けるとカクカク鳴る」、 「口が大きく開けられない」といった症状の総称です。
放っておくと痛みが増してくるだけでなく、食事や会話に支障をきたしたり、 顎の筋肉のバランスが崩れることで全身のバランスにも悪影響を及ぼし、頭痛や肩こり、腰痛などを引き起こすことがあります。
顎関節症の治療はまず悪影響を及ぼすようなお口の状態や日常生活での習癖などがないかを確認します。
顎関節症は体が自分で適応してくるself-limiting(自己制御)なものと現在は考えられています。
日常生活に差し支えがなければ無理をせず自然に任せましょうという認識で、 どうしても痛む時や口が開けられない時は鎮痛剤の服用や開口訓練を行ったりします。

スプリント療法(マウスピース)Sprint Therapy

就寝時に無意識に強くくいしばったり、歯ぎしりをしている方が多くいらっしゃいます。
人によって日によって時間によってその程度は様々ですが、ひどい場合は歯がすり減ってみじかくなってしまったり、 朝起きた時に咬む筋肉が凝って顎のだるさや痛みが生じることがあります。
「スプリント」という医療用のマウスピースを就寝時にお口に装着することによって、 くいしばりや歯ぎしりの力によって掛かる負担を軽減させ歯を守ります。

歯の移植術Implantation

不幸にして歯を1本抜歯せざるを得なくなった場合に行う処置の一つに、自家歯牙移植というものがあります。
適応するドナー歯(移植用の歯)が必要となります。親知らずがドナー歯として使用される場合が多いです。
欠損部への治療法としてはブリッジ・入れ歯・インプラントが基本となりますが、これらは人工物で欠損部を埋めることになります。
自家歯牙移植は、条件は限られますが、可能であれば抜歯しないといけない所にまた天然の歯が入りますのでより生理的な治療法と言えます。